皆さんは陰ながら徳島の街を見守るヒーローがいるのをご存知でしょうか？
JR徳島駅前、徳島市内のある交差点。ふと視点を上げると、通りに面した五階建てのビルの屋上に座っているのは…なんとデビルマン
TwitterなどのSNSでも、「徳島駅前にデビルマンがいた」「徳島はデビルマンに見守られているのか」など、たびたび「徳島 デビルマン」などで話題となっていますが、誰がいつ、どのような目的でここにデビルマンを設置したのでしょうか？
その由来などを調べてみました。
徳島市民を見守る巨大デビルマン
1970年代の名作漫画「デビルマン」（原作・永井豪）は、復活したデーモン（悪魔）を倒すため、主人公の不動明が悪魔の力を得た「デビルマン」となって戦う物語。
デビルマンのエンディングでは建築中のビルの上から街を見守る姿と共に、「今日も どこかでデビルマン」が流れているのが人気でした。
そんなデビルマンが、なぜか徳島駅前にある某ビルの屋上に腰掛け、腕を組んで徳島市内の大きな交差点を見守っているとのこと。突如として現れるデビルマンに、初めて見た人は驚きを隠せないことでしょう。
場所は徳島市の、徳島駅前一番町、八百屋町交差点。忙しい交差点の、大きな通りに面した鮮やかな色の5階建てビルの屋上です。2018年10月からはあわせて大型の電子看板も設置されており、一風変わった動画が朝から夜まで流れています。
町おこしの一環として登場
徳島の平和を守るためにビルの屋上から市民の生活を見守っているこのデビルマンは、どうやらこのビルのオーナー・宮田さんが招聘したとのこと。「徳島で開かれている『マチ★アソビ』※を盛り上げようと思ったんですよ」と、設置の経緯を語ります。
（※マチ★アソビはアニメまつり実行委員会などが主催し、エンターテインメント関連会社や人気声優が集まるアニメイベント。）
フィギュアが初めて設置されたのは2013年7月。高さ約190センチという大きさで、繊維強化プラスチック製、重さは約30キロとしっかりした造り。アニメキャラクターの表情や筋肉の質感などがしっかりと再現されています。
アニメのエンディングで夕日を背にし、建設中のビルの鉄骨で腕を組み座っている場面をモチーフにしたといい、オーナー・宮田さんは「ビルのシンボルにするのに、イメージがぴったりだと思った」とその理由を語ります。
中心市街地に突如出現したデビルマンは、多くの人の目に触れ、今日に至るまで話題を集めてきました。インターネットで「デビルマンのいる交差点」と検索すると、八百屋町交差点が示され、アニメファンならずとも、知る人ぞ知る珍名所となりました。
実は代替わりしていた！不思議な動画の正体は？
10年近くにわたって鎮座しているデビルマンですが、実は一度代替わりし、小さくなったのだとか。その背景には、横にLEDビジョンが設置されたことがあるといいます。
この画面で放映しているのは、ビルのオーナーである宮田さんらが出演する短編映画というのも見どころのひとつ。宮田さんは電子看板を新設した当初、「人通りの多い場所で映像を流すなら、町おこしに役立てたい」と、地域に密着したものを流そうとしたといいます。
しかし、都合の良い映像がなく、自前で用意することを決断。仕事で付き合いのあるグラフィックデザイナー藤本真紀さん（徳島市）に声を掛け、短編映画の自主製作に取り掛かったといいます。
動画撮影の経験がなかった2人は、協力しあい、街中で演者をスカウトするなどすべて手作りで動画を制作。1～3分のパロディ仕立てのストーリーが十数本流れるようになっています。
また、映画には小売店や飲食店の様子を盛り込み、地域に根ざした店舗のPRを兼ねています。ビルのオーナー・宮田さんは、「町おこしの一環として、商売している人を応援したい。宣伝を兼ねた動画のアイデアをどんどん持ち込んでほしい」と呼び掛けています。
板野郡北島町にもデビルマンが
実はこのデビルマン。板野郡北島町のとある大きな工場の前のビルの上で今日も街も見守っているのです。
交通量の多い県道39号線の道路沿いで見られるデビルマン。あいにくの曇りだったのですが、私も見に行って来ました。
交通量の多い時間には渋滞するこの県道39号線の平和を毎日毎日見守っているデビルマン。
また、徳島市では大きな交差点であるだけに、デビルマンも電子看板も、日頃から多くの人の目に留まることでしょう。
JR徳島駅の目の前、交通量の多い北島町の県道39号線。徳島観光の際には近くを通ることもあると思います。
スマホ片手に下ばかり見ないで、少し顔を上げて徳島の平和を見守っているデビルマンを探してみてくださいね。
参考記事：徳島新聞
デビルマンの場所
デビルマンの場所を紹介します。徳島市八百屋町交差点のビルの屋上で街の平和を見守っているデビルマンは下の場所で見られます。
コメント